巨大数

巨大数とは? 哲学

巨大数をご存知ですか?
『現代思想』2019年12月号で紹介されていたので読んだのですが、興味深かったのでご紹介&自分用のメモとして記録しておきます。

「巨大数の世界、アルキメデスからグーゴロジーまで」という副題がついています。

巨大数という、専門的な領域における分野が、ネットの掲示板の書き込みから発展し、世界的な在野の研究者とも連動しながら、巨大数という一学問の分野を作り上げてきたことが、鈴木真治さんと、フィッシュさんの巻頭の討議で述べられています。

巨大数という一見すると、数学の実用的分野からは程遠い学問であるにもかかわらず、従来の役に立たないと言われた基礎分野の研究が再考されるようになったのは興味深いことです。

例えば、ハーディ階層の生みの親である、ゴッドフレイ・ハーディという数学者は、数論を専門とする純粋数学至上主義者で、自分は役に立つことを何もしてこなかった自慢しているような人ですが、現代では数論自体は暗号理論にも応用されているし、ハーディ自身も生物学の分野で片手間に書いたものがハーディ・ワインベルクの法則として生物の教科書に載っている。・・・巨大数と関わる用語、ビジービーバー関数という巨大な急激に増加する関数があるが、これは理論上のことで何かに応用されるなんて考えもしなかったが、グレゴリ・チャイティンという人が生物学の中で、生物進化の速度を説明するためにこの関数を使っている・・・ですから、目の前にあるものに対して、役に立つとか意味があるとかいうものに囚われすぎると、狭い意味での「学問」がだけではなく、知的な活動そのものの枠が狭められてしまってつまらなくなる。(討議の18頁からの紹介)

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